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それは突然だった・・・・・


いつものように周喩の執務室に行くと突然言われたその言語



「もう我慢はしない」


「何をですか」

「とぼけるな」


「とぼけるも何も・・・」


「その手にはのらん。お前は男になれているみたいだからな」


「まさか」


朝から何事だ・・・と言いたくなる会話に望美は頭を抱える



俺の姫君は鈍感だからね・・・とか
いい加減に慣れろ・・・とか

色々言われたが男になれているなど言われた事は一度もない


まるで男狂いのような言い草にカチンとくるが必死に我慢した。


「お前が男に言い寄られるのは初めてではないだろう」


そりゃそうだけど・・・でも・・


「私はお前が欲しい」

「・・・・・私はいりません」


「失礼なことを」周瑜は優しく笑う


「だって人のものには興味ありません」




「そうか・・・だが仕方ないと思ってくれると有難い」


「無理です」



周瑜は今までで一番楽しんでいた。何を言われようが手に入れる・・・そう決心したせいだろうか
いつになく強引な態度の周瑜

何があったんですか・・・とは、聞けない

「お前から見て私は男か?」



「当然でしょう」


「そうか」


望美はいつもと違う周瑜にどう接して良いのか困惑していた


男・・・

当然だ。どんなに綺麗な顔をして女性のように細い線の周瑜でも女には見えない
だが・・・今日の周瑜はいつもと違う。



男になれているわけではない
だが、男に口説かれた事はある。
周瑜の言わんとすることは何となくわかる


・・・・逃げなさい望美



今逃げなければ私は捕まってしまう。そう感じた。




「私には小喬がいる。愛しいと感じた女は小喬だけだ」

「それなら!!」なぜ私を・・・・


「だが、心の奥底から欲した女はお前だけだ」



耳を塞ぎ全てを抹消・・・・出来なかった


逃げよう。そう思い背を向けた途端に望美は周瑜の腕の中に囚われていた


「だめ・・・・」

「望美・・・・今だけだ」



さらり

やわらかい髪がふれる
唇が優しくふれる口付け


だが・・・

目と目が合った瞬間それは激しい口付けに変わっていった