望美は朔の迫力に負け結局は朔の用意した衣装で皆の前に出る事になるのだが・・・・・・・
それは以外にも狙った人物以外にも思わぬ効果があった
九郎は真っ赤になりながら「そ・・・そんな格好で何が出来るんだ!!」と怒鳴り散らかしているが視線は自然と短いスカートに・・・
敦盛は真っ赤になりながらも「神子は何を着ていても清らかですね」と・・・
一歩間違えればはしたない姿ですね?とも聞こえる台詞だがそれでも褒め言葉なのだろうと朔は満足していた
譲は譲で赤い顔をして望美に説教している
だが背の高い譲が望美の顔を見ながら説教しようとすると・・・
譲の視線の行く先は・・・もちろん
大きく開いた胸元で・・・結局譲は鼻を押さえながら「もう良いです」と背を向けて去っていた
リズヴァーンは冷静なのか果たして何も感じないのか?と思えば
「お前が望むならそれも良いだろう」と言って何時になく機嫌の良い顔で望美の頭を撫でている
景時は望美の姿を見たなり「可愛いねー望美ちゃん」と笑顔で言い放ち
そんな兄を見て単純な男は扱いやすいと思った朔は・・・鬼と言っても良いのかもしれない
そして・・・当然の事であるが弁慶
この男は何時もと変わりなく「ああ良くお似合いですよ」とあっさりと言い放ち
顔を染めるわけでもなく当然のようにして望美の姿を凝視した後・・・
ふふっと笑い「君も大胆な方なんですね」と望美の胸元に視線を移し望美の顔を瞬時に赤く染めた
そんな弁慶を見て朔の思った事は・・・この計画は失敗だったかも・・・
弁慶がこんな調子なら多分ターゲットであるヒノエも同じ
そう思うとバカな男達を楽しませただけで終わってしまうこの計画
何か手を打たなければ・・・と考えているときにやってきたのはヒノエであり
ヒノエは望美の姿を見た途端・・・固まって動かない
「おやヒノエはどうしたんでしょうね」
弁慶は意地悪く笑いながら望美にそう言った
いつもなら弁慶と会話しているだけで「こいつには近寄るな」と言ってくるヒノエが側にも来ない
そんなヒノエを見れば心配するのが当たり前で・・・望美は「ごめんね弁慶さん」そう言ってパタパタと走り直そばに居たヒノエの元へと移動した
望美が走ると短いスカートは危ないくらいに望美の足を露出させ
その光景は皆の視線を一箇所に集中させるが
結局は恥ずかしさと気まずさが勝ち弁慶以外の八葉達は紳士的に目を逸らした。
望美はヒノエの側にくると心配そうにヒノエに声をかける
「大丈夫?」
「誰の事?」
「誰ってヒノエ君だよ」
「ああ・・・俺ね・・・そうだな・・・」
「何か可笑しいよ?」
それはお前だろ!!と言いたいだろうがヒノエは何も言わずただ大きくため息をついた。
「ため息なんかついて何があったの?」
望美は真剣に心配しているのだが・・・ヒノエにしてみれば
自分の理性と戦うのと望美に飛び掛ろうかとしているかのような男達を威嚇するのが精一杯で望美の話の半分も耳には入っていない
「君も大胆な事をさせますね」
弁慶はヒノエと望美の姿を満足そうに見ている朔に声をかけた
朔は「何の事ですか?」と微笑んで「あっ言っておきますが望美に手を出したら許しませんよ」そう言って手にした扇子で弁慶を威嚇した
「怖い方ですね・・・」
弁慶の口から出たこの言葉は本心だろう
その間もヒノエと望美は何やら楽しそうに会話している
かのように見えた・・・
だがヒノエは望美を見れば胸元に視線がいき
顔を見ようとすれば薄っすらと施された化粧が何時にない色気を出し
視線を地上に移せば短いスカートから出た望美の脚があり・・・
そして遠くを見れば・・・・飛び掛ってきそうな勢いの八葉が約一名
とにかく今回の朔の作戦は成功なのかもしれないがヒノエにとって
それは地獄であり、自分の忍耐力を確かめる我慢大会のようなものになっていた。