はぁ・・・こんな事なら今日も怨霊相手にしてれば良かったよ


「神子」

「敦盛さん・・・」
まさかね・・・

「どうしたんですか?」

「神子・・・私は・・・その」


「はい?」
「わ・・・私は神子を愛しく思っている。この穢れた感情を何とかして欲しい」

「はぁっ?」

「あっ・・・いや・・・神子・・・すまなかった・・・」



「あの・・・敦盛さん?」
「では」


「あっ・・・はい」

今のは何?
私を愛しく思ってる?
それが穢れてるの?

・・・・・わかんない・・・難しいよ敦盛さん・・・
私が穢れなのかなぁ・・・



「ふーん・・・あいつもやるね」

「ヒノエ君・・・」
立ち聞きかよ
えげつないなぁ


「お前もてるんだね。さすが俺の姫君だね」

「私ヒノエ君の姫君じゃないよ」


いつも同じことを言っているのに飽きないのかこの男

「そんな所が好きだぜ」
「ハイハイ」


「つれないね姫君」
「だからぁ・・・」


「ふっ・・・怒った顔も可愛いなお前は」

「もぉどうでもいいよ・・・今日は疲れたしヒノエ君の冗談に付き合える気力はないよ」


「冗談?俺は本気だけど」

「いい加減にしないと私も怒るよ」
ひゅ〜♪

「言うね」
また口笛・・・
私はワンコじゃないんだから
毎回口笛なんかふかないでよ・・・


「で・・・?ヒノエ君は覗きにでも来たの?」
「失礼だね・・・お前」

「ゴメン・・・今日は変な日で疲れてるからさ」

「まぁいいさ。なぁ望美・・・俺の女になりなよ」

「なんで?」


「なんでって望美の事が好きだからだよ」

望美の体を抱きしめようと手をのばしたその時・・・

「ヒノエ・・・そこまでにしたらどうですか?」

「ちっ・・・良いところで邪魔するなよ」
「ふふっ、君がそう思っているだけで望美さんは違うと思いますよ」



・・・やだ
この二人が揃うのはイヤだ!!

口の上手い朱雀二人
仲が良いくせにライバル意識高すぎる

それにエロだし・・・
戦闘中にやたら密着してくるこの二人
協力技だから我慢してるけど・・・あれはセクハラだ


そんな事を考えている望美の事は無視して二人の決着はついたようだ

「まぁいいさ。どうせお前も望美に思いを告げに来たんだろ?今日の所はひいてやるから感謝しろよ」


「ふふっ、よくご存知で」
「お前の考えてる事なんてすぐわかるさ。じゃ後は頼んだぜ望美」


また頼まれた・・・
何をどーしろって?
しかもブラック降臨弁慶相手に・・・

「ヒノエは尻尾巻いて逃げましたね」

「尻尾見えるんですか?」

「いえ・・・そういう意味では」
困ったような顔をする弁慶

「わかってますよ。冗談ですから気にしないで下さい」


「ふふっ君は本当に面白いですね」

普通です
そう言いたかったがとりあえず黙って様子をみることに・・・
だって今日は変な日だから


「さて本題に入りましょう」

「本題?」
「はい」
じゃー今までのはなんだったんだ?

「僕は君が好きです。他の男には渡しませんよ」

断言!!
断言ですか・・・さすがブラック弁慶ですね・・・

「渡しませんて・・・私はものではありませんよ」
「いいえ君は僕のものです」

もの扱いされた望美は不愉快だった

「君を困らせたみたいですね」

「・・・・・・・」

「でも・・・覚えていて下さいね。僕の言葉を」

そう言うと弁慶は何事もなかったように去っていった

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