39 // 時動く

陸遜を羨ましいと思う
孫策にも同じように感じた


同じ男でありながら何故自分は己の気持ちを素直に認める事が出来ないのだろうか

真面目な性格のせいだ
そう言えば単純
だが・・・違う


小喬を手に入れてからも孫策とともに一時の欲求を発散させるために身を売る女を抱いたことも
手短に女官を抱いたこともある。


なぜ望美に対してそれが出来ない


答えはわかりきっている


怖いからだ・・・拒まれることが怖いからだ
戦場に立って恐怖を感じた事はない
だが望美に対しては常に恐怖を感じている。


この感情が何か・・・と言われたら私は答えることが出来ないだろう。


愛しい女がいながら不埒な事を・・・そう思う
だが感情は別物
・・・・・もう止められない


あの女を・・・望美を・・・・


欲しいと思う気持ちは止める事など出来ないだろう
小喬も認めている
それならば・・・私が手に入れても良いだろう


周瑜は男として呉の軍師として望美が欲しかった。
あの知・・・計り知れぬ存在
男を魅了する何か・・・そして今目にした武。全てが欲しかった

あの女が何者でも良いではないか


抱いてしまえば何か答えが出るかもしれぬ・・・




まだ早い・・・


周瑜は策を練る


それは戦場を優位にさせる策でも呉を大国にするためでもなく
望美を手に入れるためだけに・・・