01 // どうやら迷子のようだ

光輝いて降り立つは・・・龍神の神子

白龍の逆鱗を使い時空跳躍を重ね歴史を塗り替えた罰



それは・・・・・・・・・・



知らない世界への到達



ここは乱世



荒れ狂う歴史の中の光の粒





君主 孫堅に従い使える者達の国


「・・・・・さて・・・・困った」



手に白龍の剣を握り冷や汗をかく少女の名は春日望美


「えっと・・・・どこなんだろう」



見たこともない景色
知らない言葉
何かを尋ねようにも言葉が理解出来なければ意味をなさない


冷静に・・・そう目を閉じて
心を無にして


ほら。目を開けたら




「・・・・・・そう都合よくいかないよね」



どうする事も出来ない
あの世界では龍神の神子として怨霊を封印していた望美も


今は何も出来ない無力な存在


何も出来ない自分への苛立ちと
一人になってしまった不安と



帰れるのかもわからない今の現実に望美は意識を失いそうになる



「あんた誰?間者?」


「・・・・・?」



「口きけないの?」


「・・・・何言ってるの?」

不覚にも背後を取られたことに望美は苛立った
何か言われているだろうが其れが何なのか理解出来ないことに苛立った



顔は優しげに見えても可笑しなまねをすれば命はない
そう見える男の存在にも恐怖より苛立ちを感じた


思わず剣を握る手に力を入れる



だが・・・・・手にしていたはずの其れは嘘のように消え去ってしまった



「・・・・・嘘・・・・・・」

力なく呟いた望美は、その場に崩れ落ち
その身体を見知らぬ男が支えてくれた



「おいっ」


「・・・・・どうして・・・・・」



「あんた。何泣いてんだ?」



全てに見放された。そんな気がした
知らない場所にいても白龍の剣があると皆と繋がっている


きっと誰かが助けてくれる



きっと戻れると思っていた

だが消えた剣は唯一の繋がりを断ち切るように消え



望美は今この瞬間、自分は一人なんだ・・・・・と、強く感じ



それは二度と逢えないかもしれない
生きてあう事はないかもしれない



そう感じてならなかったのだ