02 // 初めまして。と、言うべきか

気づいた事・・・・・・・

白龍の剣が消え手にしたもの
それは言葉だった


今まで理解不能だったはずの言葉
剣が消えると自然と理解出来るようになった


こんな時は一人で考えたい。そう思いながらも認めたくない現実



要するに目の前でわめく男の存在は今の望美にとって唯一つの助けだという事


男が色々とわめいているが今は無視する事にした。
そう。こんな時は人の事より自分の立場を理解するが先決と思ったから・・・




「・・・・・ここは何処なんですか?」


「何だよ。アンタ口きけるんだ・・・」


「・・・・・どうやら」


「はぁ?何それ・・・?」



「・・・・何それと言われても・・・ね」

と、望美は苦笑いする。
こんな状況に立たされているのに何故か冷静


自分でも不思議な程に冷静だった。

「変な女だねアンタ。ところで俺は凌統、でアンタは?」

「春日望美です」


「ふーん。で、アンタ間者?」


またか・・・
と、いうよりカンジャって何なんだろう

訳のわからない世界
色々と飛ばされ飛んで様々な事を経験し
死にも直面した


それでも知らない事は知らない

ここは聞くが一番。望美は「カンジャって何」と凌統と名乗る男に問う



「・・・・・・・おい。それって俺をバカにしてるの・・・」


ムッとした顔が何故だか可愛いと思った。
自分より背の高いタレ目の男
可愛いと表現するには失礼かもしれないが可愛いと思ってしまったのだから仕方ない



だが口にする程バカではないので


「いえ」と返事する


「・・・・・変な女。ホント変な女だね」と笑い出した男は


「とりあえず殿の所に連れて行くか。あの人面白いもの好きだから気をつけなよ」


と、付け加えながら手を繋いでテクテクと歩いた



拘束でなく手を繋ぐ。


周りから見れば恋人同士にも見えないことも無い二人は

これといった会話もなく
賑やかな町並みを歩いた。



望美はぼやりと景色を眺めながら隣の男を盗み見た
思ったより悪い奴ではなさそう


それにしても・・・・変な女。と連呼するこの男



自分からみればアンタの方が十分変な男だよ・・・と思いながら・・・