03 // 派手な世界と心の声

連れて来られた大広間

・・・・なんだろう。と、思う

物騒だ・・・
何、この物々しい警戒ぶり


武器を手に監視されているのが嫌と言うほどわかる

剣がない事がこんなにも不安だとは思っても無かった
初めて剣を手にした時は「ただの高校生の私が何故」と、思ったはずなのに
今は剣がない事が不安で仕方ない



派手ななり
赤を主張した衣装が血の色にも似て恐怖さえ感じる


知らず知らず震えていたのか男が「安心しな」と小さな声で勇気付けてくれた




何を安心するればいいのだ


この状況で


冷たい視線の中で何が安心なのだ・・・・そう叫びたいが口の中は極度の緊張でカラカラになっていた



門番に声を掛ける前に離れた手が恋しい
あのまま手を繋いでいれば少しは安心できたのに


・・・・と、酷く女々しい考えをする自分に呆れ


私は龍神の神子。白龍の加護を受けた神子
今まで何度もの戦闘と死に直面してきた
怨霊を相手に戦場を駆け巡ってきたはずだ。と、叱咤したが・・・・・



ふと過ぎった八葉の姿



皆が居たからなんだ
私一人では何も出来なかった

皆が守って共に戦ってくれたから私は頑張れたのだ・・・・と、
今になって映し出された事実に望美の頬に一筋の水の道が出来ていた・・・