12 // 本当の姿

バカみたいだな
今までの私は何だったんだろう


そんな気分だった



冷静で口数少ない女
愛想もなく氷のように冷たい女を演じようとしていた
これ以上大切な何かを作りたくなかった



また飛ばされるかもしれない
そうなったとき私は耐えれない。そう思ったから・・・



だが呉の連中は嫌になるほど気さくで馴れ馴れしい


・・・・・一部を除いて



毎日のように押しかけてくる陸遜や
周瑜の居ない隙を狙ってやってくる孫策



そして姉のような尚香と妹のようで友人のような二喬





ダメだ。やっぱり私は私



私の道が何処に繋がっているかわからない
それでも今ここに居るということは何か意味があるからだ・・・


そう思う事にした。








ふっきれた望美は久方ぶりに笑みを浮かべる

それは心からの笑顔で見るものを惹きつける美しいものだった