22 // 孫策という男

「よお。暇か?」


見てわからないのだろうか----この男は

と----思ってしまった。が----


「忙しいですよ」と淡々と答える


「そっかー。なら遊び行こうぜ」と----馬鹿な事を言われた
思わず「はぁっ?」と口に出る。


忙しくしている周瑜や弟の孫権と違い父親のように執務嫌いの男は自由に動き回り
周りの者達まで巻き込んでしまう。



正直羨ましい。と、思う



「何もせずとも良い」と孫堅に言われているが
元々忙しくしている方が性に合っている望美は進んで雑用をこなしていた。



「たまには仕事なさったら----」と言えば
そんな物したいヤツがすればいいだろーが。と豪快に笑う。


なんとも面白い男。


望美は呆れたように笑い「それでは国が成り立ちませんよ」と少しだけ小言を言ってみた。


だが孫策は-----ふんっ。と鼻を鳴らすと
「それぐれーで国が成り立たないなら国の意味がねーだろうが」と「俺には信頼する部下が居るんだ」と
望美をじっと見据えそう言った。



そっかー
孫策様は皆を信頼しているんだ----と感じた
ああ。だから皆が付いて来るんだ。と-----実感した。



そして「孫策様は面白いですね」と笑う望美に「そうか?俺はどこにも居る男だけどな」と返し


「で。どこ行きたいか?」と再び望美に誘いをかけていた。