29 // 見なければ
ひっそりと咲く花でなく
艶やかな花のようだ--------
全てを拒否しようとしている頑なな態度が逆に望美の魅力を引き立てる
陸遜に連れられ宴の場に現れた望美に周囲は息を呑む
「綺麗-----」
「おねえちゃんの方が綺麗だよ。だって望美は意地悪だし冷たいし」
「小喬。本当はそんな事思ってないでしょう」
「だって・・・だって」
大喬は何も言わず小喬の頭を撫でる
「仲直りしたら?望美だってそうしたいはず」
「そうかな?私嫌いって言っちゃったんだよ」
「大丈夫よ」
「う・・・・うん」
その時----孫堅の声が響く
「今宵は望美の歓迎の宴だ。皆楽しんでくれ」と----
一斉に宴の場は盛り上がる
二喬は扇を手に舞い踊る。それをじっと見つめる望美の視線は小喬に向けられていた。
孫堅と尚香の間に座る望美は居心地悪く
苦く笑う。
「どうしたのよ。楽しくないの?」
「あー・・・うん。面白くないというか----私には向かないかな」
「何が?」
「こういう華やかな場・・・かな」
「面白い事をいう。こんなにも艶やかに咲く花が」と孫堅がにやり笑った。
久しぶりに感じる孫堅の体温
直に感じるわけでないが、こんなにも近くに居れば吐く吐息さえも感じるもの
「少し離れてください」
「何を今更-----お前は俺の熱を知っているはずだが」
「酔ってますね。」
「ああ。お前という花にな」と笑う男に離れて下さい!!と大声を上げる前に助け舟が出された。
「駄目だよ。望美に触らないでっ!!」
その声に驚いたのは望美であり
孫堅であり----そして周瑜だった。
「小喬。何を」
「だって。駄目なんだもん」
涙目で孫堅を睨む小喬に孫堅は「まいった。思わぬ伏兵だな---」と
「今宵はお前に譲るとしよう」と----複雑そうな笑みを向ける
「小喬?」
「仲直り」
「ありがとう。ごめんね」
漸く笑った望美に小喬はほっと息をつく
「でも・・・・どうして?」
「ん?」
二人並び月を眺める
薄雲に隠れた月は妖しく光る。望美はゆっくりと話し出した。
自分の身の上を
過去の事を-----
「私はね・・・・未来から来たの。本当は此処にいたら駄目な存在。歴史を変えるわけにはいかない----
それなのに私は罪を犯した。時空を超え-----大切な人を守るためと偽って何度も塗り替えたの其の人たちの歴史を----」
「------うそ・・・・だよね」
「本当だよ。------そこで好きになった男がいた。違うかな----嫌いだった。敵だったの・・・・でも二人は惹かれあって身体を重ねた。そして小さな命を身ごもって------殺した----。私は守れなかったの・・・・」
「望美------」
「生きる価値なんてない。死にたいのに死ねない-----これが私の運命だいうなら仕方ない。そう思いたいけど------全てが意味のないものに見えてね」と----苦く笑う
ああ-----言っちゃった----
小喬の真剣な顔に
小喬の思いに抵抗など出来なかった。
無視すれば------見なければ済んだ事
それでも望美は満足していた。
隠すことに疲れていたから
これで異端の者だと言われ刑を受けるなら幸せかもしれない----と思った。
だが小喬は溢れる涙を隠そうともせず
まるで泣けない望美の分までも泣こうとしているようにボロボロ涙を流す。
「辛かったよね。望美は悪くないよ。大丈夫だよ私が守ってあげるから産んであげれなかった子供の分まで望美は幸せになってね」と------
まるで母が子供を守るように望美の身体をきつく抱きしめ
「望美は悪くないよ。」と何度も何度も繰り返していた。
艶やかな花のようだ--------
全てを拒否しようとしている頑なな態度が逆に望美の魅力を引き立てる
陸遜に連れられ宴の場に現れた望美に周囲は息を呑む
「綺麗-----」
「おねえちゃんの方が綺麗だよ。だって望美は意地悪だし冷たいし」
「小喬。本当はそんな事思ってないでしょう」
「だって・・・だって」
大喬は何も言わず小喬の頭を撫でる
「仲直りしたら?望美だってそうしたいはず」
「そうかな?私嫌いって言っちゃったんだよ」
「大丈夫よ」
「う・・・・うん」
その時----孫堅の声が響く
「今宵は望美の歓迎の宴だ。皆楽しんでくれ」と----
一斉に宴の場は盛り上がる
二喬は扇を手に舞い踊る。それをじっと見つめる望美の視線は小喬に向けられていた。
孫堅と尚香の間に座る望美は居心地悪く
苦く笑う。
「どうしたのよ。楽しくないの?」
「あー・・・うん。面白くないというか----私には向かないかな」
「何が?」
「こういう華やかな場・・・かな」
「面白い事をいう。こんなにも艶やかに咲く花が」と孫堅がにやり笑った。
久しぶりに感じる孫堅の体温
直に感じるわけでないが、こんなにも近くに居れば吐く吐息さえも感じるもの
「少し離れてください」
「何を今更-----お前は俺の熱を知っているはずだが」
「酔ってますね。」
「ああ。お前という花にな」と笑う男に離れて下さい!!と大声を上げる前に助け舟が出された。
「駄目だよ。望美に触らないでっ!!」
その声に驚いたのは望美であり
孫堅であり----そして周瑜だった。
「小喬。何を」
「だって。駄目なんだもん」
涙目で孫堅を睨む小喬に孫堅は「まいった。思わぬ伏兵だな---」と
「今宵はお前に譲るとしよう」と----複雑そうな笑みを向ける
「小喬?」
「仲直り」
「ありがとう。ごめんね」
漸く笑った望美に小喬はほっと息をつく
「でも・・・・どうして?」
「ん?」
二人並び月を眺める
薄雲に隠れた月は妖しく光る。望美はゆっくりと話し出した。
自分の身の上を
過去の事を-----
「私はね・・・・未来から来たの。本当は此処にいたら駄目な存在。歴史を変えるわけにはいかない----
それなのに私は罪を犯した。時空を超え-----大切な人を守るためと偽って何度も塗り替えたの其の人たちの歴史を----」
「------うそ・・・・だよね」
「本当だよ。------そこで好きになった男がいた。違うかな----嫌いだった。敵だったの・・・・でも二人は惹かれあって身体を重ねた。そして小さな命を身ごもって------殺した----。私は守れなかったの・・・・」
「望美------」
「生きる価値なんてない。死にたいのに死ねない-----これが私の運命だいうなら仕方ない。そう思いたいけど------全てが意味のないものに見えてね」と----苦く笑う
ああ-----言っちゃった----
小喬の真剣な顔に
小喬の思いに抵抗など出来なかった。
無視すれば------見なければ済んだ事
それでも望美は満足していた。
隠すことに疲れていたから
これで異端の者だと言われ刑を受けるなら幸せかもしれない----と思った。
だが小喬は溢れる涙を隠そうともせず
まるで泣けない望美の分までも泣こうとしているようにボロボロ涙を流す。
「辛かったよね。望美は悪くないよ。大丈夫だよ私が守ってあげるから産んであげれなかった子供の分まで望美は幸せになってね」と------
まるで母が子供を守るように望美の身体をきつく抱きしめ
「望美は悪くないよ。」と何度も何度も繰り返していた。