35 // 何となく---ね

ああ疲れた---
凌統は草むらに寝転がり空を眺める


さんざんだった。
小喬のしつこさは何となくだがわかっていた。
それでも周瑜が来たからには大丈夫だと思ってたが-----


「いい?絶対だよ」と指きりまでさせられたのだ


「何だかねー」
誰に愚痴を言うわけでもなく凌統は呟く


「何が?」

「うをっ」


自分らしくない声をあげてしまった
胸糞悪い---と思いながら声の主を探す
声の主は凌統を覗き込むように腰に手を当てて直ぐ側に居た


「何だ。あんたか」


「おやおや。機嫌悪いですね」



くすくすと笑いながら横に座り込んだ望美は「で、何があったの?」と聞いてくる


「いやね----」


別に言っても良い事だが何となく言いづらい


「ふーん。珍しい」


「何がですかねー」


「だってさ。公績が言葉濁すなんてね」と望美は笑う


笑う顔は可愛い
打ち解けてくれた事は嬉しい------が、何となく複雑だった。






友達・・・・そう思っているからこそ----ここまで打ち解け側に寄ってくるんだろう。そう感じた。



「誰のせいだと思ってるんだい。」


「ん?」


「いや。何でもありませんよ」



どうでも良いか---こうやって二人で居るだけで今は其れだけで良しとしよう

そう思った凌統は瞼を閉じ側に居る望美の存在を楽しんでいた