37 // 開き直り

この世界に来て感じたこと
思ったより住みやすい世界ということ

普通の高校生だった望美が戦乱の世に飛ばされ恋をした
そして・・・・今も・・・乱世に身を包んでいる


今はまだ魏も蜀にも動きは見られない
だが着々と進む尚香の蜀入りが歴史が動いている証拠



素敵な方・・・と友は言った
この結婚が失敗に終わる事はわかっている
出来るなら・・・友の笑顔を守りたい
でも・・・これ以上の罪は重ねたくない


仮に私が何かを言ったとしても
行動に移したとしても・・・何も変わらないだろう。

白龍の逆鱗が手元にない今、役立たずの居候だ

今の私に出来るのは友が傷ついた時に側にいて慰めるだけ


「力が欲しい」望美は願う








「・・・・・・時が来たな」



一瞬だけ聞こえた声・・・・


懐かしさと愛しさを感じる声だった



「知盛・・・・・」



ああ・・・・私は守られている。そう感じた




「頑張ろう。これが私に課せられた使命なら私はやり遂げる」
そう呟いた望美の顔は
神子としての輝きと、誇りを身にまとい


今までの望美とは違う魅力に溢れていた


もう迷わない


これが私の運命なのだから


そして歩き出した望美の足は兵たちが集まる鍛錬場に向かっていた