07 // 花開かぬ蕾・・・

周瑜は望美の知に驚きを隠せなかった
教えた事は直ぐに理解する


難題を持ちかけても簡単に答えを返してくる少女に何者だ・・・と
叫びたくなる事も多々


しかし少女の顔や仕草を見れば怪しいところは何もなく
逆に無防備だと感じる事の方が多く



悩みは増えるばかりだった。



孫堅に任せる。と、言われたとき断るはずだった
しかし、甘寧の名を出された時
「この娘は私のものだ」と感じた


この思いは小喬を得たいと願った時の感情とは違う
女として見るには幼すぎる
時折見せる表情に女を感じる事があっても

この娘には手を出すべきでない
男と女の関係になるには清らか過ぎる・・・・
そう直感的に感じたのだ


今日の執務室には陸遜が押しかけてきた


陸遜は「望美殿は何でも知ってるのですね」と望美との時間を過ごすのが最大の楽しみになっているようだ。
お前に頼んだ仕事はどうしたのだ。と言えば「もう済みましたよ」と微笑む



そんな陸遜を望美は笑顔で出迎え
筆を滑らせながらも陸遜の話に耳を傾け
声に出さずに頬を緩ませ陸遜との会話を楽しんでいた


その会話に割り込むように「望美。此方を」と、周瑜が声をかけた

はっとして顔を上げた望美は「出来れば春日と・・・」と小さく呟いた






何故・・・・・
頑な蕾は私を受け入れない
イライラする感情を隠しながら周瑜は「すまない・・・」


そう呟き

春日・・・と、望美の違いを理解しようとしていた