〜乱れ髪〜  
この上ないくらいにムカつくとは・・・この事
寝起きに、これだけの色気を振り撒ける自分の彼氏を自慢できるほど望美の心は広くなかった



この眼で何人の女を?が今の望美の脳内を占領していた



「・・・・お前、何イライラしてる?」

「アンタのせいだよ」



「相手してほしいなら言えばいい」と早速組み敷こうとする知盛にパンチを喰らわせ・・・



「どけっ!!」と威嚇した望美を知盛はクックッと笑い
それでも腕は望美を抱きしめている




「何かムカつく・・・」


「お前だけだぜ」


「何がよ」



「俺の寝顔を知ってる女」


「嘘だね。そんな嘘信用するほど馬鹿じゃない」


「なら勝手にしろ」と、望美を腕に抱いたまま知盛は布団に転がり




「強情なお前も可愛いが、今のお前も悪くない」と薄っすらと涙を浮かべている望美の髪を優しく梳いていた




それでも中々素直になれない望美は「離せ」と言っているが



知盛が離すわけもなく
結局は・・・知盛の腕の中の心地よさと
知盛の心音が子守唄代わりになり・・・・


いつの間にか寝入ってしまった望美は

「・・・・・我侭な女だな・・・」と知盛を呆れさせる事になる





「んっ・・・・んーよく寝た」



「・・・・・お目覚めか?姫君」


「うわっ・・・アンタ居たの?」



「ここは俺の部屋だ」



「あっそーだよねー。ご免あそばせ」と笑って誤魔化そうとした望美だが
次の瞬間・・・・・



「ゲッ・・・・・」と、これまた下品な台詞を発することになった




何故かと言えば・・・・それは
知盛の部屋に置かれている理解出来ない位の大きな大きな等身大以上はある鏡の存在だった




あれ見て何をするんだ?と思える存在・・・
しみ、そばかすまで確り見えるほど磨かれた鏡はベットの前に置かれているわけで・・・・



寄り添う恋人達を映し出したまでは良かったが・・・・




長い睡眠で乱れた髪は望美だけでなく知盛も同じだが、明らかに違うその乱れ髪に「反則・・・・いや・・・それって犯則だよね」と呟いた望美は




再び知盛に笑われる運命だった

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